節分が近づくとスーパーやコンビニで一斉に販売される「恵方巻」。
いつからか節分には当たり前のように「海苔巻き」を食べるようになりましたが、そもそもなんで節分の日に海苔巻きを食べるんでしょう?
目をつぶるとか、黙って食べるとか…食べ方にもいろいろなルールがありますが、正しい食べ方やその由来ってどこから来たんでしょう?
そんな疑問にお答えすべく、ここでは節分になぜ恵方巻を食べるのか?由来や正しい食べ方をご紹介します。
もくじ
節分の恵方巻の由来とは?
恵方巻は、さまざまな具が入った巻きずしのこと。
でも、節分の時期になると街中で一斉に売られるだけのことはあって、ただの巻きずしではないんです。
なんとこの恵方巻。
その年の恵方となる方角を向いて丸かじりすると、幸運が訪れて願い事が叶ったり、無病息災や商売繁盛をもたらすとされています。
…願い事が叶うだけでなく無病息災や商売繁盛までもたらすだなんて、なんて力のある海苔巻きなんでしょう…!!
しかし、ここでまた一つ疑問がでてきます。
…そもそも恵方とはなんなのでしょう?^^;
私もきちんと恵方巻のことを調べるまでは、なんとなく「その年の縁起のいい方角なんだろうなぁ」というざっくりとしたイメージでいたんです。
恵方巻の恵方ってなに?
実はこの「恵方」とは歳徳神(としとくじん)というその年の金運や幸福を司る神様がいる方角。
この神様は毎年同じ場所にはじっとしていないので、恵方というのは毎年変わります。
昔から「歳徳神のいる恵方に向かって何かをするとうまくいく、縁起がいい」
…と言われていて、初詣などでも恵方にある神社にお参りに行く人もいるんです。
節分時期になると「今年の恵方は南南東です!」なんて声を耳にする度に「なんで毎年変わるんだろう?」と思っていましたが、こういうことだったんですね。
なぜ節分に巻きずしなのか?
でもなぜ巻き寿司なんでしょう?
日本にちなんだ食べ物ならば、そばでもうどんでも良かった気がしませんか?
ここで、恵方巻が食べられるようになったルーツをたどってみましょう。
諸説ありますが、恵方巻のルーツは江戸末期から明治の始め。
大阪の商人の間で商売繁盛・無病息災・家内円満を願って「幸運巻きずし」を食べるようになったのが始まりだと言われています。
昭和に入って、巻きずしの販売促進を狙った大阪の寿司組合が「節分の日にその年の恵方に向かって無言で一本の巻寿司を丸かぶりすればその年は幸運に恵まれる」という宣伝を行いました。
これによりローカルな文化だった恵方巻が少し有名になったのです。
さらにそこに目を付けたのが「海苔協会」だと言われています。
海苔の需要拡大を狙って起こった様々なイベントやキャンペーンがメディアに取り上げられ、「恵方巻」の知名度は段々と上がっていったんですね。
…ここまでくるともうおわかりかと思いますが、この徐々に盛り上がる恵方巻ブームを決定的なものにしたのが「コンビニ業界」です。
1月後半から2月初旬は売り上げが落ち込む時期。この期間の販売イベントとして、各地で展開された販売促進戦略によって恵方巻は全国区になりました。
こうしてみると、チョコレート業界が作り上げたバレンタイン商戦や最近のハロウィンイベントのように
「業界」によってつくられた行事のような気がして、本当に縁起がいいことなのががわからなくなってきますよね^^;
しかし!!
「恵方には歳徳神が居て、恵方を向いて事を行うとうまくいく」というのは古くから言い伝えられてきたもの。
巻寿司を食べるという行事が定着したのは販売促進によるものかもしれませんが、恵方をむいて巻寿司を食べること自体は縁起のいいことですよね?
恵方巻と普通の巻きずしとの違いは?
寿司・海苔業界とコンビニの戦略によって広まった恵方巻ですが、普通の巻寿司との違いは何なのでしょう?
大きな違いは次の2つです。
- さまざまな7種類の具が入っている
- 食べやすいように切られておらず、一本丸のままの巻寿司
普通の太巻きは多くてもせいぜい具材は4~5種類。
しかし恵方巻は「福を巻き込む」というところから、七福神にちなんだ7種類の具材が使われています。
また普通は食べやすいようにカットされている巻寿司ですが、「巻き込んだ福を切っては縁起が悪い」と、あえてカットせずに一本丸ごとの巻寿司になっているのも特徴です。
それ以外は特に大きな違いはありませんので、ちょっと豪華で豪快な巻きずしといったところではないでしょうか?
恵方巻の正しい食べ方
「その年の恵方に向かって食べる」というのが恵方巻の絶対的なルールなのですが、実はこれ以外にもいくつか決まりごとがあるんです。
厄を払い、福を取り込む節分の行事で食べる縁起物の恵方巻ですから、食べるときはきちんとしたルールで食べましょう♪
ルールはとてもシンプル!
太巻きを切らずにかぶりつく
恵方を向いて一気に食べる
食べている間中、願い事を思い描く
食べ終わるまではしゃべらない
これだけです!
ただ…シンプルなように見えて実はものすごく奥が深いこの食べ方!!
やってみるとわかりますが、実はかなり難しいんです。笑
まず、太巻きを切らずにかぶりつくというところ。
これは単純に「包丁で切らなければいいんでしょ!?」ということではありません。
もぐもぐと太巻きをほおばって、飲み込む間も太巻きを口から離さずに食べなければいけないんです!!汗
これは
「福が巻かれた海苔巻きから口を外すと福がこぼれる」
「願い事を思い描いている間に海苔巻きから口を外すと願いがこぼれ落ちる」
…というところからきています。
…ここまでくるとなんだかオカルト的なこじつけのような気もしますが、やらないよりもやった方がいいのは確かそうですよね?笑
また、よく言われているのが「食べている間は目をつぶる」というルール。
これまた「目をつぶってしっかりとお願いごとをした方が気持ちが入る!」という、わかるようなわからないような理由からきている都市伝説のようなもの!
もしも私が神様だったら、自分の方を向いて目をつぶって無言で太巻きをほおばる姿はちょっとシュールすぎて願いを聞きそびれるかもしれません。笑
このあたりは明確なルールはなく、地方によっていろいろなローカルルールがありますので気にしなくても大丈夫!
基本は…
恵方を向いて一気に食べる
食べている間中、願い事を思い描く
食べ終わるまではしゃべらない
これですよ♪
恵方巻の方角2019年は?
最後に今年、2019年の恵方についてご紹介します。
平成30年の恵方は「東北東」です!!
でもお家にいると「恵方」が一体どの方向なのか、いまいちわかりませんよね。
せっかくだからきちんと神様に願い事が届くように正確な恵方をむいて食べたいもの。
そこでご紹介したいのが、スマホのアプリです。
一年に一度、節分の日にしか使わないアプリですが簡単に恵方を探し当てることができるのでおすすめですよ♪
節分に恵方巻をなぜ食べるのか由来や正しい食べ方から2019年の方角まで!のまとめ
恵方巻は「幸せを願って食べる」とても楽しい行事食です。
食品業界から起こったブームだろうとなんだろうと、恵方巻を通して節分を味わい、季節を感じるのはとても楽しいと思いませんか?
ひとりで窓辺に立って恵方巻を食べるもよし、友達と大勢で食べるもよし!
今年の節分は恵方巻を食べて歳徳神さまにお願い事を伝えてみませんか?