紫外線からお肌を守ってくれる日焼け止め。
「今浴びた紫外線は5年後、10年後のお肌に大きく影響する!」
なんて言われると焦っちゃいますよね。
「焼かないようにしなくちゃ!」とついつい効果の高そうなSPF50の日焼け止めを選んでしまいませんか?
私も…
一番効きそうなSPF50のものを買っておけば安心でしょ♪
と深く考えていませんでしたが、歳を重ねるにつれ「日焼け止めがお肌に与える負担が大きい」という話も気になってきたんです。
そういえばSPFとPAの意味や違いってなんなんだろうと調べてみたのですが、いろいろとわかった事があったのでまとめてみました。
もくじ
日焼け止めのSPFとPAの意味と違いは?
日焼け止めは紫外線からお肌を守ってくれる保護材ですが、この「紫外線」にも実はいろいろと種類があります。
日焼け止めに表示されているSPFとPAも、この紫外線の種類に大きく関わっているので、まずは日焼け止めが防いでくれる紫外線についてみてみましょう。
紫外線の種類
紫外線には次の3種類があります。
- UV-A
- UV-B
- UV-C
このうち、UV-Cは上空のオゾン層によって遮られ地上までは届かない為、私たちが直接影響を受ける紫外線は「UV-A」と「UV-B」の2種類になります。
このため、私たちが普段購入している日焼け止めやUVケア化粧品は「UV-A」と「UV-B」を考慮した製品になっているんです。
日焼けにも、皮膚が赤くヒリヒリと痛むものと、黒く色素が沈着するものがありますよね?
これは、このUV-AとUV-Bの紫外線の違いによるものなんです。
UV-A:肌を黒くする作用がある紫外線
UV-A(紫外線A波)は肌を黒くする作用がある紫外線…。女子の大敵ですね!
実は地上に届く紫外線のほとんど(約90%)がこのUV‐Aなんだそうです。
皮膚が赤くなるなどの肌への直接的なダメージは少ないが、肌の奥まで届きやすい
雲や窓ガラスなどの障害物も通りぬけやすい
しみ、シワ、たるみの元になる
皮膚が赤くなるといった、目に見える影響がなく、じわじわと作用するのでわかりずらいのが特徴です。
気が付いたら黒くなってた!という事もよくある、日焼け止めの塗り忘れや塗り遅れによって影響を受けるタイプの紫外線なんですね。
また、雲やガラスを通り抜けるという特徴もとってもやっかい!曇りの目でも地上に届いてじわじわお肌を攻撃するんですね。
UV-B:肌を赤くする作用がある
一方、UV-B(紫外線B波)は地上へ届くのは約10%とそれほど多くはありませんが、肌への刺激が強い赤くヒリヒリとした炎症を起こすタイプの紫外線です。
肌の表面の浅い部分で吸収され、肌への直接的なダメージが大きい
しみ、そばかすの元となるメラニン色素が沈着する
雲やガラスである程度は遮られる
夏に海やフェスなど、屋外で太陽を浴びた時に起こる典型的な「日焼け」の素となるのがUV-B。
赤く炎症させるだけじゃなく、メラニン色素を沈着させしみやそばかすの原因となるだなんて…UV-Aだけじゃなく、こっちも女子の天敵でした(´Д`)!!
…と、このように紫外線には2種類あり、それぞれお肌に与える影響が違うんですね。
さて、これを踏まえたうえでようやく出てくるのがSPFとPAです。
日焼け止めのSPFとは?
日焼け止めやUV化粧品に表示されているSPFとPAですが…
- SPF:紫外線B波を考慮した値
- PA:紫外線A波を考慮した値
となっています。
環境省の「紫外線保健マニュアル」によると…
日焼け止め化粧品を塗った場合、塗らない場合に比べて何倍の
紫外線量をあてると翌日かすかに赤くなるかを示しています。引用元:環境省 紫外線保健マニュアル
うーん…ちょっとわかりにくいですが。(;´・ω・)
SPFは「その日焼け止め化粧品を使うことで、UV-BをSPF分の1にすることが出来る」と考えるとわかりやすいかもしれません。
例えば、10分間紫外線を浴びると肌が赤くなる人がSPF30の日焼け止めを塗ると、その30倍の300分後に肌が赤くなるというような感じです。
お肌が受けるUV-Bのダメージを1/10に減らすとも言えるかもしれませんね。
人によって何分で赤みが出るかは違いがありますが、一般的な日本人のお肌は、真夏に何も塗っていない状態だと約20分で肌に赤みが生じるそう。
これを基準にすると、SPF50の日焼け止めは1000分、つまり約16時間赤みが出るのを抑えるということになります。
日本ではSPF50以上のものは「SPF50+」とひとくくりに表示されているそうです。
日焼け止めのPAとは?
PAはUV-Aを防ぐ数値の目安で、そのレベルによって4段階にわけられ…
- PA+:UV-A防止効果がある
- PA++:UV-A防止効果がかなりある
- PA+++:UV-A防止効果が非常にある
- PA++++:UV-A防止効果がきわめて高い
と、+が多くなるほどUV-Aを防ぐ効果が高くなります。
ざっくりですが、非常にわかりやすくていいですね♪
日焼け止めを選ぶ時に多くの人がPAよりもSPFの数字を意識して購入しているようです。
ですが、地上に降り注ぐ紫外線の多くがUV-Aという事を考えると、PAの値を重視した日焼け止め選びも大切なんですね。
日焼け止めはSPFが高いと肌に負担がかかって悪いの?
SPFとPAがそれぞれどんなものなのかはわかりましたが、気になるのが「肌への負担」です。
日焼け止めに含まれている成分は大きく2つ。
- 紫外線吸収剤:化学的な仕組みで紫外線から守る
- 紫外線散乱剤:物理的な仕組みで紫外線を散乱・反射させて守る
それぞれ違った仕組みで肌を紫外線から防いでいるのですが、この中でも「日焼け止めを使うと肌が荒れる…。」という原因の多くが紫外線吸収剤によるものと言われています。
紫外線吸収剤は有機化合物なので、敏感肌の人やアトピー、ニキビ肌の人などはお肌に刺激を感じることもあるんですね。
また、紫外線吸収剤の日焼け止めは油分が多いので酸化しやすいのも、肌に負担を与える一因のようです。
SPF50+などの日焼け止め効果の高い製品は紫外線吸収剤を使用しているものが多いのですが、高い紫外線防止効果を発揮する分、肌への負担も大きい成分なんですね。
一方、紫外線散乱剤は紫外線吸収剤に比べるとお肌への影響は少ないと言われています。
肌の表面に細かく砕いた白色顔料を塗布することで紫外線を反射する仕組みなので、化学変化を起こす紫外線吸収剤よりもお肌へは優しいんですね。
製品により、どちらかのみを配合している場合と、両方配合している場合があります。
最近は「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」といった高SPFでも肌に優しいタイプの日焼け止め化粧品が増えてきましたので、肌荒れが気になる時は「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めを選びたいですね。
日焼け止めのSPFとPAの選び方 どれくらいが目安なの?
では、どんな時にどんなレベルのSPF、PAの日焼け止めを選べばいいのでしょうか?
SPF50+やPA++++の日焼け止めを使うのは…
- 海水浴
- 炎天下の下で芝生の照り返しが強いゴルフなどのスポーツ
- 長時間野外に出っぱなしの夏フェス
- 屋外での作業がメインの仕事
など、日よけのない状態でがっつり太陽の下に居る時ぐらいでいいようですね。
近所へのの買い物や洗濯、会社までの通勤などではSPF10~20程度で十分のようです。
塗りなおしができる環境では、あまり高SPFにこだわる必要もないのかもしれません。
また、最近は低SPFで高PAの日焼け止めの種類も増えてきました。
- しみ、しわ、たるみなどの肌の老化が気になる
- 春先など日差しが弱い時期の紫外線対策
- 曇りの日や室内での紫外線対策
このような場合は、SPFよりもPAを重視した日焼け止めやUV化粧品を選ぶことがお肌にとっても優しいUV対策になるのではないでしょうか?
日焼け止めのSPFとPAの意味と違い 肌への負担と選び方のまとめ
「赤くなりやすい」「黒くなりやすい」「肌が弱い」
人によって日焼けの体質や肌の性質に合わせた日焼け止めを選ぶのがポイントなんですね。
また、日常生活でSPF50+のような日焼け止めを使う場面はそれほど多くもありませんので、使うシーンに応じた日焼け止めを選ぶことがお肌にとって優しい選択。
シーンに合わせた日焼け止め対策をして、きれいなお肌を手に入れたいですね。