鎌倉は芥川龍之介、夏目漱石、中原中也、川端康成など名だたる文豪が愛した文士の街。
明治以降どんどん近代化が進んでいく日本の中で、都会の喧騒や人間関係の苦悩、しがらみに疲れた文豪たちが集ったのは、緑豊かな情緒あふれる鎌倉でした。
古都鎌倉の自然や街並み、歩いた道をたどってみて、文豪たちの心に触れてみませんか?
今回は、鎌倉に来たら立ち寄りたい、文豪たちにまつわるゆかりの地や文豪カフェ。
鎌倉ゆかりの文豪たちの愛の言葉に触れる「鎌倉文学館」のバレンタインイベント情報をご紹介します。
もくじ
バレンタインは文豪の心に触れに鎌倉へ行こう!
鎌倉文学館では毎年バレンタインに、文豪たちの愛の言葉に触れる「愛は言葉だ! 文豪のハートにふれるバレンタイン」というイベントを行っています。
作品や文豪たちが残した手紙を通じて愛に触れよう!というこちらのイベントではさまざまな催しが企画されているんです。
- 文豪の愛の言葉おみくじ
- バレンタイン特別展示
- 期間限定「実篤チョコ」価格 :1缶540円の販売
夏目漱石、芥川龍之介や太宰治などの小説や詩歌、手紙から選ばれた愛の言葉が書かれた12種類のおみくじを入館者は無料で引くことが出来ます。
大吉や凶などの吉凶の代わりに、思わずキュンとする文豪たちの愛のメッセージが書かれているんです。
太宰治の斜陽の中のあんな言葉や芥川龍之介が恋人に送った可愛らしいラブレターの一節など。
わかる人にはわかる胸キュンな愛の言葉が書かれたおみくじは文豪ファンならずとも思わずドキッとしてしまうはず♪
ニヒルな皮肉屋のイメージが強い芥川龍之介。
実は「おしるこ」が大好きな甘いもの好きの可愛い一面を持っています。
随筆「しるこ」の生原稿や、文士たちの恋愛やお菓子にまつわる作品をこの期間だけ特別に見る事ができるんです。
文庫の活字ではなく、実際に生で書かれた原稿を前にすると、芥川龍之介をより身近に感じる事ができますよ。
毎年大人気なのがバレンタイン限定で特別販売される「実篤チョコ」。
2017年の今年は、銀色の丸缶に人気が高い実篤の言葉「天に星 地に花 人に愛」をあしらったチョコレートが個数限定で特別販売されます。
中にはモロゾフのミルクチョコレートが16粒入っていて、食べ終わった後も小物入れとして使える可愛らしいパッケージなんです。
こちらの実篤チョコは、もともと東京都調布市にある実篤記念館の窓口で販売されているもの。もしも品切れの場合は実篤記念館でも購入することができます。
実篤記念館では予約や発送も受け付けていますので、どうしても手に入れたい場合は予約して取り置きする事をおすすめします。
発送、取り置きは、実篤記念館へお問合せくださいね。
〒182-0003 東京都調布市若葉町1-8-30
TEL 03(3326)0648
鎌倉文学館の文豪のハートにふれるバレンタインイベント
開催期間:平成28年1月30日(土)~2月14日(日)
開催場所:鎌倉文学館
〒248-0016 鎌倉市長谷1-5-3
TEL:0467-23-3911
入館料:一般300円/小中学生100円
開館時間:9時~16時半(最終入館は30分前)
イベント中の休館日:2月1日(月)、8日(月)
鎌倉文学館へのアクセス
駐車場がありませんので、会場へ車で来る場合は近隣のパーキングに車を停めることになります。電車でのアクセスは・・・
- JR「鎌倉駅」で江ノ電に乗り換えて「由比ガ浜」駅下車
- JR・小田急線「藤沢駅」より江ノ電に乗り換えて「由比ガ浜」駅下車
由比ガ浜駅から山側に向かって約500m。徒歩7分と歩いてすぐですよ^^
鎌倉に行ったら訪れたい文豪ゆかりの地
せっかく鎌倉に来たのなら、訪れておきたいのが文豪ゆかりの地。
鎌倉には文豪たちの生活を身近に感じられるスポットが数多く残されています。
その中でも特に人気のある、個人的にも大好きな3人の文豪たちのゆかりの地をご紹介します。
中原中也ゆかりの地 寿福寺
30歳という若さでこの世を去った中原中也が終の住処として人生の晩年を過ごしたのが、寿福寺の境内にある小さな家でした。
本殿手前の右手にある脇道の先にあった家で妻と次男とともに静かに暮らしていたそうです。
総門から中門までの参道と裏山の墓地は公開されていますが、境内の一般公開はお正月とGWだけとなっていますので、参拝は出来ませんのでご注意ください。
今はもう家は残っておらず道も通行止めになっていますが、彼の家へと続く一見寂しくも感じるけれどどこか情緒溢れる美しい細道を中原中也が歩いていたのかもしれませんね。
天才と呼ばれ、愛と喪失の苦悩の中で生きた中原中也。ここを訪れるとなんだか少し、彼の心に触れられるかもしれません。
寿福寺
〒248-0011
鎌倉市扇ガ谷1-17-7
夏目漱石ゆかりの地 円覚寺
北鎌倉駅を出るとすぐの場所にある円覚寺。
夏目漱石が自分自身と向き合うために座禅生活を送ったのがこちらのお寺です。
「門」の作品の終盤で主人公の宗助が座禅をしに寺へ行く場面がありますが、これは夏目漱石が円覚寺で過ごした座禅生活がモデルになっていると言われています。
優秀な成績で大学を卒業し、周囲からの評判も良く、英語教師としても順風な生活を送っていた夏目漱石ですが、自分自身に対してどこか納得できず葛藤していたようです。
当時の彼の苦悩は「門」の中の主人公のこの言葉とリンクしているのではないでしょうか?
円覚寺では一般参加のできる坐禅会を行っています。
毎週土曜日に行われる「土曜坐禅会」は、坐禅をしたことのない初心者向けの内容になっていますので坐禅初体験にちょうどいいのではないでしょうか?
座禅生活の末に、漱石がどんな答えを得ることが出来たのか、坐禅を組んでみることで見えてくるかもしれませんね。
開催日:毎週土曜日
初めての場合/午後1:20~午後2:20
二回目以降/午後2:40~午後3:40
予約は不要ですが、遅刻は厳禁です。
始めに坐り方などの説明があるので、10分前には居士林に集合となります。
費用:無料 拝観料として300円
服装:ジャージやスウェットなどの坐禅・作務のしやすい服装
臨済宗大本山 円覚寺
〒247-0062 鎌倉市山ノ内409
0467-22-0478
芥川龍之介ゆかりの地 和田塚「野田洗濯店」
芥川龍之介が大正5年から婚約者だった文さんと暮らしていたのが、鎌倉町和田塚の野間洗濯店の離れだと言われています。
引っ越し後友人に宛てた手紙の中で
「僕の所は和田塚の電車停車場からすぐだ。
和田塚までは電車の線路を歩いてくれば来られるからその先を図にする
(線路は通行禁止の札が立ってるが歩いて差支へない)~」
と記しています。
この地図は文学館にも展示されていますので、訪れた際はチェックしてみてくださいね。
和田塚の駅から「芥川龍之介もこの道を歩いたのかな」と思いを馳せて散策するのもいいですよね。
「線路を歩いてくれば来られる」なんて大雑把さが、いかにも芥川龍之介らしいですが、線路は歩いちゃダメですよ。笑
ゆかりの地は文豪の生活を身近に感じられる味わい深いスポットですが、今はその地で生活を営んでいる地元の人達もいます。
マナーを守って、文豪たちが愛した鎌倉という土地を大切にしながら散策を楽しみたいですね。
鎌倉のおすすめ文豪カフェ
最後に、文豪たちにゆかりのある鎌倉の文豪カフェをご紹介します。
散策で疲れた体をほっとさせる、趣のあるあったかいカフェで作品を読んではいかがでしょうか?
イワタコーヒー店
分厚いホットケーキが有名な、昭和23年創業という鎌倉で一番古い喫茶店。
JR鎌倉駅の駅前、小町通りの入り口近くにあり、川端康成や大佛次郎なども訪れた歴史あるカフェです。
一番人気は厚さ3cmはある分厚いホットケーキ。
パンケーキと言うより、見た目も味もこちらはホットケーキという言葉がぴったりです。鎌倉に来たらぜひ訪れておきたい一押しカフェです。
定休日:火曜日、第2水曜日
TEL:0467-22-2689
住所:神奈川県鎌倉市小町1丁目5−7
大佛茶廊
鎌倉を代表する文豪、大佛次郎の別邸を改装したカフェ。
大正8年に建てられたかやぶき屋根の趣のある家では、モダンな大正時代にトリップしたかのような雰囲気を味わえます。
室内には大佛次郎ゆかりの品々も展示されているので、コーヒーを飲みながら文学の世界も味わうことができます。
土日祝日のお昼から日没までしか営業していないので、確実に行くなら予約がおすすめですよ。
TEL:0467-22-8175
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下1-11-22
納言志るこ店
しること言えば芥川龍之介。
鎌倉文学館で「しるこ」の生原稿を見た後は、お汁粉屋さんで芥川龍之介にさらなる想いを馳せてはいかがですか?
鎌倉の数ある甘味処の中でも、特に納言志るこ店は訪れておきたい甘味処です。
名物の田舎汁粉は優しい甘さと温かさで心をほっとさせてくれます。
行列ができるほどの人気のお店ですが、カフェよりも回転が速いので思ったよりも待たずに入店できますよ。
定休日:水曜日、第1・3木曜日
TEL:0467-22-3105
住所:神奈川県鎌倉市小町1-5-10
鎌倉の文豪ゆかりのスポットやお店をご紹介しました。
鎌倉の地を歩くと、活字を通してしかイメージ出来ていなかった文豪たちが、当時この地で、何を見て何を思っていたのか、ぼんやりですがわかるような気がします。
鎌倉散策でより深い文学の面白さに出逢えると思いますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。